加藤事務所作成レポート
平成13年5月4日
2001年4月24-27日 米国ゴム学会の取材報告
株式会社 加藤事務所
加藤 進一


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取材報告:
1. 今回の第159回 ゴム技術会議( 春季ゴム学会)は米国ロードアイランド州プロビデンス市にて開催され、約500人のゴム技術者が集まった。日本人参加者は12名。

2. 今回のテーマは、
1) ナノコンポジット (微細複合物)… 合成ゴム分子とフィラー分子を分子レベルの大きさで、複合化し、素晴らしい物性のエラストマーを作ること。実用化は5年以上先か? 製造する方法がかなりむずかしそうだ。
2) 電線…電線用材料の開発
3) インテリジェント タイヤ…タイヤ内部のセンサーをつけ、温度、圧力等を電波信号で自動車車体側に送り、パンクやタイヤ破損の警報を出す。GY社が積極的に開発中。実用化は3年以上先か? 電池なしの構造で、加硫時に耐えるセンサーを安く作ることが課題。タイヤ一本ごとにIDナンバーを発信させ、タイヤ取り替え、再生タイヤ化等にトラック会社のタイヤ管理に活用するアイデアがおもしろい。また大型建機用タイヤのタイヤ温度管理に使えそう。

3. また 元東京農工大元教授の田中康之先生が、米国ゴム学会にて2000年チャールズ・グッドイヤー賞を受賞され、その記念講演と受賞式が行われた。 長年にわたる天然ゴムの研究が世界的なゴム学会での賞の受賞となった。

4. 米国ゴム業界の状況;
l 自動車部品メーカーを中心に荷の動きが急に悪くなってきた。ゴム材料の販売量もここにきて前年同期比で10%減。ゴム機械の投資は控え気味。
l GOODYEAR社が4月に大規模なレイオフを発表。GY社は2000年4月-11月まではファイアーストン社が売れない分の注文がきてかなり売り上げ増となったが、この2001年1月からの急激な売上げ落ち込みに経費削減が追いつかない様子。売り上げ、利益のグラフはhttp://www.rubberstation.com/USRubberIndMay2001.htm にあり。ファイアーストーン社(ブリヂストン社)は、ブランドイメージが低下して、あいかわらず売れていない。ランぺ社長自らがテレビCMに出演して、FS社は変わるべく動き出したと宣伝し、ブランドイメージ再生に力をいれている。