フッ素ゴム AFLAS®(アフラス)の特長
アフラスサンプル 手配依頼仕事に使える情報集

ラバーステーションでは、フッ素ゴム・AFLAS(旧商品名 JSRアフラス )に注目し、その今後の応用を特集しました。

AFLAS アフラスの特徴は、いくつかありますが、他のフッ素ゴムに比べて
耐薬品性が優れている (高温での強酸、強塩基でもほとんど劣化しない)
耐スチーム性 、連続使用温度230度C可能 
電気絶縁性に優れている(体積固有抵抗率が1015 ~1016オーム・cmと極めて良好)
一般のフッ素ゴムFKMは、オイル、グリース中のアミン系等防錆剤、添加剤で劣化していましますが、AFLASは十分使えます。
ということです。
  

AFLASと一般フッ素ゴムFKMとの比較
耐アンモニア水(耐アミン)性
 
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よって自動車用途では、シャフトシール用途 、シリンダーライナーシール用途、ベアリングシール用途、ディーゼルターボホース用途
 一般工業用部品では、 メカニカルシール用途、重油用途、大型エンジン用途、ケミカルポンプ及びバルブ用途、食品用途及び半導体製造用途、電線用途     
があります。
 AFLASはガソリンには膨潤するため向いていませんが、一方耐薬品性がよいため、いろいろな添加剤を含んだオイル、グリースのシール、ホース材料に最適です。
現在、AFLASの販売用途は、国内の70-80%が耐熱絶縁電線で、残りがシール材やホース、逆に、海外では電線は少なく、殆んどが耐塩基性を生かした自動車向けシール用途です。従来、国内では、金型離型性が悪いため、型物用途では展開がすすんでいませんでしたが、新品種開発で従来フッ素ゴムの加工性を実現できるようになりました。これにより、AFLASの特徴を生かし、国内外のシール材・ホース材、型物市場にAFLASが用途展開されていくことになるでしょう。
 耐塩基性がありますので、アミン系やいろいろな添加剤を含んだグリースを使用する分野、ベアリングシール、自動車シャフトシールへの応用が期待できます。従来のフッ素ゴムでは、シールゴムがグリース中の塩基性添加剤にやられ硬化してしまうこともありました。AFLASゴムはその点安心してご使用になれます。

 AFLASのホームページ           http://www.fluon.jp

          1.イントロダクション

          2.耐薬品性を利用した用途展開(1) 自動車中心

          3.耐薬品性を利用した用途展開(2) 一般工業用途

          4.耐薬品性を利用した用途展開(3) 食品用途、半導体用途

          5.電気絶縁性を利用した用途展開

AFLASの特長
FKM、パーフルオロゴムに対しての比較
AFLASの耐薬品性
各種薬品に対する耐久性について
AFLASのコスト優位性
パーフルオロゴムに対するコスト優位性
AFLASの用途例
フルオンアフラスの各種用途例および応用特性
AFLASの基本特性
耐油性、電気特性について
AFLASの商品グレード
商品グレードのご紹介

  耐薬品性データ1、  データ2、 いろいろな薬品に対する耐薬品性の指標
 耐熱性データ  耐アンモニア、エチレンジアミン性試験写真
 AFLASプレゼンテーション資料

 AFLASと一般フッ素ゴムFKMとパーフロロフッ素ゴムとの比較

【AFLASアフラス開発の歴史】

 1950年代に、フッ化ビニリデン-ヘキサフロロプロピレン系フッ素ゴム共重合体(以後FKM、フッ素ゴム)が上市されて以来、数多くのフッ素ゴムが開発され、商品化された。

 フルオン・アフラスは上記FKMとは分子構造が異なり、テトラフルオロエチレンとプロピレンの交互共重合体を基本骨格とする、1975年に世界で旭硝子が初めて商品化に成功した、新しいタイプのフッ素ゴムとして位置付けられる。そのユニークな開発に対して、1984年には高分子学会賞、1987年には井上春成賞を受賞している。

1982年からJSR㈱が国内総代理店であったが、2002年4月にJSR㈱がアフラス事業から撤退されポリマー販売につき、本来のメーカーである旭硝子株式会社が引き継ぎいだ。

それに伴い、商品名をフッ素ポリマー統一商標のフルオンを冠としフルオン・アフラスとした。今後、ポリマー販売については製造・開発・販売を全て旭硝子株式会社が行うこととなり、ユーザーの声をメーカーがダイレクトに商品開発に活用したいと考えている。

AFLASの構造

 AFLASは、規則正しい交互共重合体であるにもかかわらず、プロピレンのメチル基がランダム配位を取っている為に、この共重合体は非晶性となりゴム弾性を示す。

 また、殆ど全てのプロピレン単位がテトラフロロエチレン単位に挟まれている為に、多くの水素原子を含んでいるにもかかわらず、熱的、化学的に非常に安定なポリマーとなっている。

           

AFLASの特徴
    連続使用温度230℃
    高温の強酸・強塩基に対しても殆ど劣化しない高度な耐薬品性
    
体積固有抵抗率が1015 ~1016 Ω・cmと極めて良好

AFLASの構造を見ると、EPRゴムと非常に似た構造を持っていることに気付くが、EPRのエチレン部分をフッ素化したような形になっている。その為、EPRが持っている耐薬品性や電気絶縁性の良さを引き継ぎつつ、エチレン部分がテトラフロロエチレンに変わったことで、耐熱性が大きく向上している。

高価なモノマーを使用していないにもかかわらず、その耐薬品性の優秀さはパーフロロエラストマーに迫るレベルにあると言え、過酷な条件下で使用される石油掘削用部品として、数多くの実績を海外で重ねてきている。

 近年では、自動車のエンジンの高性能化に伴い、エンジンオイルやトランスミッションオイル及び冷却水に含まれる添加剤の種類と量が増える傾向にあり、それらに触れるゴム部品には、より高度な耐薬品性が求められている。

 一般フッ素ゴムFKMはその分子構造上、アミン化合物等のアタックを受けやすいことが知られているが、フルオン・アフラスはそれらのアタックを受けにくい構造となっており、海外を中心に自動車部品用素材として、使用実績が拡大しつつありる。

 高度な耐熱性と電気絶縁性を併せ持った性能を利用した用途としては、自動車や熱機器用耐熱絶縁電線として、幅広い実績がある。

 

AFLASの品種

 当初、テトラフロロエチレン-プロピレンの二元系ポリマーでスタートしたフルオン・アフラスだが、その後第三成分を加えた三元系ポリマーも上市されている。

ポリマー構造と品種
ポリマー構造 TFE/P TEF/P/VdF
品種 150L 150E 150P 100S 100H 150CS 150C SP SZ301 MZ201
比重 1.55 1.55 1.55 1.55 1.55 1.55 1.55 1.51 1.51 1.60
フッ素含有量
(%)
57 57 57 57 57 57 57 55 55 60
ムーニー粘度
ML1+10
(100℃)
35 60 95 160* 110* 130 100* 75 67 50
ガラス転移温度
-3 -3 -3 -3 -3 -3 -3 -3 -3 -13
外観 渇色 白色 黄色
加硫系 パーオキサイド 電子線 パー
オキ
サイド
ポリオール
用途、特徴 ライニング
押出し
汎用 高強度 押出し 汎用

*;ローターのスリップによる擬似ムーニー粘度


  旭硝子株式会社 AFLAS・アフラスのお問い合わせ先はこちらへ

            AFLASのホームページ           http://www.fluon.jp

<表、写真、データ、資料は株式会社旭硝子からの提供です>
以上

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更新日2005/05/02
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