BRICsのゴム産業、ゴム材料
これからのゴム工場進出の国々
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㈱加藤事務所では2006-2007年にブラジル、ロシア、インド、中国、タイ、ベトナム、EU、
インドネシアを訪問し、各国のゴム産業、ゴム材料を調査してきました。BRICsの国々に
おけるゴム産業、ポリマー、カーボンブラック、ゴム薬品、オイル、ゴム練り産業について
以下のとおり解説します。 その詳細や具体的な材料の入手については、
㈱加藤事務所(電話03-5645-8670、info@rubberstation.com)まで直接お問い合わせ下さい。

1.ブラジル

ゴム成型会社が600社もあり、世界の大手タイヤ会社はタイヤ工場をブラジルにもっている。また自動車生産が年間250万台にも達し、自動車用ゴム部品メーカーも欧米を中心に進出しており、ゴム靴産業も盛んである。日本からはブリヂストン、安福ゴム工業が進出している。
ゴム材料はポリマーは天然ゴムの生産をはじめ合成ゴム(SBR,BR,NBR,EP)の工場があり、またカーボンブラックは大手3社の大規模な工場がある。ゴム薬品、プロセスオイル、ゴム加工助剤のメーカーも数社あり 主なゴム材料は現地で入手可能。 ゴム練り会社も5社あり、そのNo1企業はインターミックス5系列をもち年間2万トンゴムコンパウンドを工業ゴム部品用に生産している。
ゴム年鑑が発行されており、材料メーカー、成型メーカー、ゴム機械メーカーリストがあり。ゴム材料関係の展示会もある。

2.ロシア

かつては軍需ゴム産業中心であったが、ここ10年はゴム産業は停滞している。最近はEUからのゴム工場の進出が始まっている。タイヤ工場は小規模で、大都市の自動車は輸入車が多い。世界最大のIR合成ゴム工場をはじめ、SBR,BR,NBR.EP,IIR,ほとんどの合成ゴム、カーボンブラック、ゴム薬品はロシア国内で生産されているが、稼働率が不安定である。合成ゴム、カーボンブラックはEU、中国、インドに輸出されている。合成ゴムは現地輸出会社により日本にも輸出されているが、カーボンブラック、ゴム薬品は品質に問題がある。

3.インド

昔からタイヤ工場が多く、またゴム製品メーカーも500社以上あり、天然ゴムも世界4位の生産量があり、ゴム産業は発達している。ゴム機械メーカー、試験機メーカーも自国内は数社ある。合成ゴムは、BR,NBR,EPが生産されており、カーボンブラックは日本に年間数万トン輸入されている。ゴム薬品メーカーも元MONSANTO系、ICI系、ユニロイヤル系と4社あり、ほとんどのゴム材料が現地で生産されている。ゴム練り工場は少なく、Devashish社(フッ素ゴム練りが中心)を除けばタイヤ再生ゴムコンパウンド工場があるだけで工業ゴム部品用コンパウンドを練れる工場はない。現在インドー日系合弁ゴムコンパウンド工場計画があり2010年始めに操業開始予定。
ゴム年鑑が発行されており、材料メーカー、成型メーカー、ゴム機械メーカーリストがあり。ゴム材料関係展示会も毎年1回ある。

4.中国

すでに世界一のゴム材料消費国になるつつあり、天然ゴム、合成ゴムの大輸入国になった。ゴム会社の数は8000社を超し、日系タイヤ工場は7工場、日系工業用ゴム部品工場、関連会社数は300拠点以上ある。
 ゴム材料は天然ゴム、SBR,BR,IIR,NBR,EP,AR,F,Q,CPEその他すべてのポリマーを生産しているが、品質と生産量不足の問題を抱えている。カーボンブラック工場は50社以上あるが、タイヤには使用できるが、工業用ゴム部品用途では日本品との品質の差がある。ゴム薬品は生産過剰である。
ゴム練り工場は日系10工場があり、さらにEU2社、米国1社のゴム練り工場は稼動中である。
ゴム年鑑、ゴム会社名簿、ゴム材料ハンドブックは数多く出版されており、ゴム関係の展示会も年数回ある。

5.ベトナム

天然ゴムの世界6位生産国である。ゴム産業は天然ゴムを材料とした一般ゴム部品の生産が中心である。合成ゴム、カーボンブラック、ゴム薬品のメーカーはない。ゴム靴の生産が伸びてきており、日系ゴム工場も20社となった。ゴム練り工場は台湾系1社のみである。オートバイの生産量が多く今後は中国から外資系ゴム工場の移転が見込まれる。

6.インドネシア

Jakarta,Jogjakarta,Surabayaを中心にゴム企業は200社ほどあり、日系ゴム工場も30社ある。日系タイヤ工場はブリヂストンと住友ゴム工業が大規模はタイヤ工場を持っている。天然ゴム生産量は世界2位であるが、1位のタイに迫ってきている。合成ゴムのSBR,BR、カーボンブラック、再生ゴムの現地生産工場があり、一般工業用ゴム部品は輸入材料の使用が多い。ゴム練り工場は3社あるが、規模は小さい。ゴム機械メーカーはない。

7.最近のアジア地区のゴム練り事情
   2006年日本ゴム協会誌7月号より抜粋

㈱加藤事務所 加藤進一が日本ゴム協会誌に発表した 「アジア地区のゴム練り事情(論文:海外ニュース)」で 2006年現在の日本とアジア各国のゴム練り産業、大手ゴム練り工場の解説と生産能力、現地ゴム材料、ゴム機械を説明。
論文抜粋は以下の表示をクリック。
2006年 最近のアジア地区のゴム練り事情1(1-2ページ)
2006年 最近のアジア地区のゴム練り事情2(3-4ページ)
2006年 最近のアジア地区のゴム練り事情3(5-6ページ)
2006年 最近のアジア地区のゴム練り事情4(7-8ページ)
なお論文の全文コピーが必要な方は㈱加藤事務所までお問い合わせください。
 
BRICsでの日系自動車大手の増産計画(年間生産台数)は
中国:2006年100万台が2011年には260万台へ
インド:2006年75万台が今後190万台へ
ロシア:2006年0台が今後50万台へ
ブラジル:2006年17万台から今後40万台へ
(2008年1月6日 日経新聞より抜粋)

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更新日2008/01/07
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