フッ素ゴムアフラスの特長
一般工業用途
アフラスサンプル 手配依頼仕事に使える情報集

ラバーステーションでは、フッ素ゴムフルオンアフラス(旧商品名 JSRアフラス )に注目し、その今後の応用を特集しました。

耐薬品性を使った用途展開(2) 一般工業用途

メカニカルシール用途

 メカニカルシールに装着されるO-リングは、数多くの薬液に浸せきされる為、幅広い耐薬品性が求められる。一般的にはNBRやEPDMが使用され、更に高度な耐熱性や耐薬品性が必要となった場合、フッ素ゴムFKMが採用されている。

 しかし、最近は薬液の種類が拡大してきたため、一般フッ素ゴムFKMでも耐薬品性が不足するケースが多々発生し、非常に高価なパーフロロフッ素ゴム(FFKM)が使用されるのも、決して珍しいことではない。

 フルオン・アフラスの耐薬品性は、パーフロロフッ素ゴムFFKMには若干劣るが、一般フッ素ゴムFKMと比較すると遥かに優れているので、パーフロロフッ素ゴムFFKMを使用されているケースの何割かは、フルオン・アフラスで十分であると考えられる。加えてフルオン・アフラス製O-リング価格は、パーフロロフッ素ゴムFFKM製O-リングの約1/50程度なので、大幅なコストダウンが期待出来る。

 既にあるアメリカのメカニカルシールメーカーは、パーフロロフッ素ゴムFFKMの一部をフルオン・アフラスに置き換えることで、大幅なコストダウンに成功しているとのこと。

                                  

                                   メカニカルシール(矢印部ゴムO-リング)

重油用途

 フルオン・アフラスは、ガソリン等の燃料油に対しては一般のフッ素ゴムFKMより膨潤が大きく、一般的には使用されない。しかし重油においては、その膨潤値は問題の無い範囲に収まり、十分使用に耐える。

 一般フッ素ゴムFKMは、A重油の様に精製度の上がった重油では問題はないが、産地によって硫黄等の不純物が多く含まれるC重油となると、高温下で激しく劣化する事例がある。フルオン・アフラスを使用すれば、それらの不純物に対して十分な耐性を持っているので、重油の種類及び産地にかかわらず、安心してご使用出来る。

大型エンジン用途
 船舶用エンジンや発電機用エンジンの様に、連続使用時間が長い大型ディーゼルエンジンのシリンダーライナーシールには、車用エンジンのシリンダーライナーシールより、厳しい耐性が要求されている。
 自動車用途の項でも指摘した通り、一般フッ素ゴムFKMは耐温水、耐スチーム、耐薬品性で問題を抱えており、発電機用エンジンの様に、ライフラインを支える役目がある大型エンジンに用いるには、信頼性の面で問題が指摘されている。

 この用途も、フルオン・アフラスの優れた耐温水性、耐スチーム性、耐薬品性が、極めて有効に活用出来る分野と言える。

                                     
                                   船舶用フルオン・アフラス製O-リング

ケミカルポンプ及びバルブ用途 メカニカルシール用途と同様に、ポンプやバルブの用途においても、使用されるゴム部材には高度な耐薬品性が求められる。特に、高温のアルカリ水溶液を取り扱う用途においては、フルオン・アフラスとパーフロロフッ素ゴムFFKMが最適な素材と考えられるが、コストの面ではフルオン・アフラスの方が遥かに有利である。

 今回は一般工業用途における、フルオン・アフラスの展開について説明した。このページの資料に、フルオン・アフラスの耐薬品性に関するデータが含まれているが、そこに記載されていない薬品等に関しても、可能な限り株式会社旭硝子の研究所で浸せきデータを採取するとのことで、パーフロロフッ素ゴムFFKMのコストダウンをお考えの方は、是非一度株式会社旭硝子に相談するとよい。

           フルオン・アフラスのホームページ           http://www.fluon.jp

フルオンアフラスの特徴は、いくつかありますが、他のフッ素ゴムに比べて
耐薬品性が優れている (高温での強酸、強塩基でもほとんど劣化しない)
耐スチーム性 、連続使用温度230℃可能 
電気絶縁性に優れている(体積固有抵抗率が1015 ~1016 Ω・cmと極めて良好)
ということです。

よって自動車用途では、シャフトシール用途 、シリンダーライナーシール用途、ベアリングシール用途、ディーゼルターボホース用途
 一般工業用部品では、 メカニカルシール用途、重油用途、大型エンジン用途、ケミカルポンプ及びバルブ用途、食品用途及び半導体製造用途、電線用途     
があります。
 フルオンアフラスはガソリンには膨潤するため向いていませんが、一方耐薬品性がよいため、いろいろな添加剤を含んだオイル、グリースのシール、ホース材料に最適です。
現在、フルオンアフラスの販売用途は、国内の70-80%が耐熱絶縁電線で、残りがシール材やホース、逆に、海外では電線は少なく、殆んどが耐塩基性を生かした自動車向けシール用途です。従来、国内では、金型離型性が悪いため、型物用途では展開がすすんでいませんでしたが、新品種開発で従来フッ素ゴムの加工性を実現できるようになりました。これにより、フルオンアフラスの特徴を生かし、国内外のシール材・ホース材、型物市場にフルオンアフラスが用途展開されていくことになるでしょう。
 耐塩基性がありますので、アミン系やいろいろな添加剤を含んだグリースを使用する分野、ベアリングシール、自動車シャフトシールへの応用が期待できます。従来のフッ素ゴムでは、シールゴムがグリース中の塩基性添加剤にやられ硬化してしまうこともありました。アフラスゴムはその点安心してご使用になれます。

 フルオン・アフラスのホームページ           http://www.fluon.jp

          1.イントロダクション
          2.耐薬品性を利用した用途展開(1) 自動車中心
          3.耐薬品性を利用した用途展開(2) 一般工業用途
          4.耐薬品性を利用した用途展開(3) 食品用途、半導体用途
          5.電気絶縁性を利用した用途展開

FluonRAFLASの特長
FKM、パーフルオロゴムに対しての比較
FluonRAFLASの耐薬品性
各種薬品に対する耐久性について
FluonRAFLASのコスト優位性
パーフルオロゴムに対するコスト優位性
FluonRAFLASの用途例
フルオンアフラスの各種用途例および応用特性
FluonRAFLASの基本特性
耐油性、電気特性について
FluonRAFLASの商品グレード
商品グレードのご紹介

  耐薬品性データ1、  データ2、 いろいろな薬品に対する耐薬品性の指標
 耐熱性データ  耐アンモニア、エチレンジアミン性試験写真
 AFLASプレゼンテーション資料

 フルオン・アフラスと一般フッ素ゴムFKMとパーフロロフッ素ゴムとの比較

フルオン・アフラスの品種

 当初、テトラフロロエチレン-プロピレンの二元系ポリマーでスタートしたフルオン・アフラスだが、その後第三成分を加えた三元系ポリマーも上市されている。

ポリマー構造と品種
ポリマー構造 TFE/P TEF/P/VdF
品種 150L 150E 150P 100S 100H 150CS 150C SP SZ301 MZ201
比重 1.55 1.55 1.55 1.55 1.55 1.55 1.55 1.51 1.51 1.60
フッ素含有量
(%)
57 57 57 57 57 57 57 55 55 60
ムーニー粘度
ML1+10
(100℃)
35 60 95 160* 110* 130 100* 75 67 50
ガラス転移温度
-3 -3 -3 -3 -3 -3 -3 -3 -3 -13
外観 渇色 白色 黄色
加硫系 パーオキサイド 電子線 パー
オキ
サイド
ポリオール
用途、特徴 ライニング
押出し
汎用 高強度 押出し 汎用

*;ローターのスリップによる擬似ムーニー粘度

            フルオン・アフラスのホームページ           http://www.fluon.jp

旭硝子株式会社 フルオン・アフラスのお問い合わせ先はこちらへ

<表、写真、データ、資料は株式会社旭硝子からの提供です>

以上

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更新日2002/09/20
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